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紅い首輪
第4章 4
待ち合わせは18時、
駅前の噴水の前になっていた、
早めについた有希は、トイレでグロスを
塗り直し鏡の自分を確認していた。
(メイク良し、髪も良し…)
過去にないくらい緊張しながら
噴水へ向かう、時間はまだ約束の10分前。
お互い顔は知らない、噴水の周りには
金曜日の夜ということでいくつかのグループが
できあがっていた。
空いている場所で携帯電話を取り出し、
LINEを開く、黒と事前にIDを交換してあるのだ。
『噴水前に着いています。白い服でかごバッグを
持っています。』
送信すると同時に既読になり、
すぐにLINEの着信が鳴った。
「…もしもし?」
「こんばんは、ゆきちゃん?
僕らも今から噴水まで行くよ。」
落ち着いた穏やかそうな声は、
チャットでの黒のイメージに良く合った。
電話を耳に当てたままキョロキョロと
辺りを見渡せば、同じような男性がいた。
後ろから男女も一緒だった。
(あっ!紅さんだっ!)