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紅い首輪
第6章 6
「何が好きだ?若い女の子は
パスタとかが良かったか?」
お品書きを見せながら、紅は
少し心配そうな顔でゆきを覗き込んだ。
「和食好きです、一人だと煮物とか
あんまり作らないから…。」
「なら休み良かった。一人暮らしなのか?」
「はい、あのコンビニから歩いて
15分くらいの所で一人暮らししています。」
ゆきは正面に座った紅の顔が直視できず、
お品書きからチラチラと目線を上げながら
答えていた。
「こうへいくん、若い彼女だねぇ。
注文は決まったかい?」
恰幅の良い女将さんが注文を聞きにやってきた。
「まだ彼女じゃないよ、ゆきちゃんって言うんだ。俺はいつものもつ煮込み定食。ゆきは?」
「あっ、私は焼き鯖定食をお願いします…。」
慌ててゆきは女将さんに頭を下げてから
注文を頼んだが紅の言葉が気になって仕方ない。
(まだって…ただの冗談だよね…)
「はいよ。ゆきちゃん、こうへいくんが連れてきた女の子だからね、サービスするからしっかり食べてってね。」