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仮面というもの
第2章 美しい妻と可愛い彼女と……
「あら、香西先生……。」
現れた男は『香西 達也』だった。
整形外科のエキスパートで、俺と同じくらいのイケメン、加えて独身なので女性にはとてもモテる。
しかし、興味のない女性には素っ気ない態度をとるので、院内では既婚の俺よりモテない。
「月さん、お昼まだですか?
この辺りにとても美味しい蕎麦屋さんがあるので、もし宜しければご一緒にいかがですか?」
え?あの香西先生が女性を食事に誘った!?
俺は何となく焦ったので、咳払いをした。
「えっと、月は俺の妻です。」
驚いた顔の香西先生と、微笑む月。
「あ、月さんの素敵な旦那さんは白井先生だったんですね!」
「そうよ、私の旦那様よ。
でも、私、お蕎麦好きだから食べに行きたいわ。
なので、旦那様もご一緒にいかがですか?」
え?食べに行きたいのか?
蕎麦が好きだなんて、聞いたこともない。
「月が、蕎麦を好きだなんて聞いたこと無かったな。」
「ふふっ、それは、旦那様が私に関心が無いからでは?
そんなこと仰るなら、他に私の好きな物や食べ物を1つでも当ててみたらどうです?」
どうしよう。月が何を好きかなんて全く分からない。
「……玉子焼き……とか?」
「それは、好きでも嫌いでもありませんわ。
少なくとも、好物と呼べる程ではありません。」
「月さんは、カレイの煮付けが好きなんですよね?」
香西先生……?
もしかして、香西先生は月が好きなのか?
「そうね、カレイの煮付けは好きな食べ物の1つね。」
そう言い微笑み合う二人に、イライラしてしまった。
「二人とも、仲良さそうだな。
二人で食べてくれば良いんじゃない?
俺、忙しいし。」
「仲良いわよ。
幼馴染みですからね。
今日は、研修医として香西先生の整形外科の技術を学びに来たのよ。
私の勤めている病院と貴方の勤めている病院は、提携していますから、こうして研修期間に学ばせて頂くことが出来るのよ。」
幼馴染み……。
俺は、月のことで知らない事が多くて、何だか悔しい気持ちになった。
「……。白井先生からお許しも出ましたし、二人で食べに行きましょう。」
「そうね、では、お仕事頑張って下さい。旦那様。」
月は、微笑みながらひらひらと手を振ると、香西先生と並んで歩き、消えていった。
現れた男は『香西 達也』だった。
整形外科のエキスパートで、俺と同じくらいのイケメン、加えて独身なので女性にはとてもモテる。
しかし、興味のない女性には素っ気ない態度をとるので、院内では既婚の俺よりモテない。
「月さん、お昼まだですか?
この辺りにとても美味しい蕎麦屋さんがあるので、もし宜しければご一緒にいかがですか?」
え?あの香西先生が女性を食事に誘った!?
俺は何となく焦ったので、咳払いをした。
「えっと、月は俺の妻です。」
驚いた顔の香西先生と、微笑む月。
「あ、月さんの素敵な旦那さんは白井先生だったんですね!」
「そうよ、私の旦那様よ。
でも、私、お蕎麦好きだから食べに行きたいわ。
なので、旦那様もご一緒にいかがですか?」
え?食べに行きたいのか?
蕎麦が好きだなんて、聞いたこともない。
「月が、蕎麦を好きだなんて聞いたこと無かったな。」
「ふふっ、それは、旦那様が私に関心が無いからでは?
そんなこと仰るなら、他に私の好きな物や食べ物を1つでも当ててみたらどうです?」
どうしよう。月が何を好きかなんて全く分からない。
「……玉子焼き……とか?」
「それは、好きでも嫌いでもありませんわ。
少なくとも、好物と呼べる程ではありません。」
「月さんは、カレイの煮付けが好きなんですよね?」
香西先生……?
もしかして、香西先生は月が好きなのか?
「そうね、カレイの煮付けは好きな食べ物の1つね。」
そう言い微笑み合う二人に、イライラしてしまった。
「二人とも、仲良さそうだな。
二人で食べてくれば良いんじゃない?
俺、忙しいし。」
「仲良いわよ。
幼馴染みですからね。
今日は、研修医として香西先生の整形外科の技術を学びに来たのよ。
私の勤めている病院と貴方の勤めている病院は、提携していますから、こうして研修期間に学ばせて頂くことが出来るのよ。」
幼馴染み……。
俺は、月のことで知らない事が多くて、何だか悔しい気持ちになった。
「……。白井先生からお許しも出ましたし、二人で食べに行きましょう。」
「そうね、では、お仕事頑張って下さい。旦那様。」
月は、微笑みながらひらひらと手を振ると、香西先生と並んで歩き、消えていった。