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仮面というもの
第2章 美しい妻と可愛い彼女と……
「あ、旦那様。おはよう御座います。」

「あぁ、おはよう。」

「朝食の用意が出来ましたが、いかがなさいます?」

「あぁ、食べる。」

そう言うとせっせと朝食が並べられた。

「どうぞお召し上がり下さい。」

「いただきます。」

いつものように、朝のニュースを見ながら食べていると、月が珍しく話しかけてきた。

「そう言えば、前に聞かれた次のお休みですが、来週の日曜日です。」

ん?来週の日曜日?
その日って確か……
あ!遥の誕生日!!

『小山 遥』は職場のナースで美穂よりも落ち着いていて、おしとやかだ。
勿論、彼女も浮気相手。

「ご馳走さま。
あ、来週の日曜は仕事があるから、どこにも連れてってやれない。ごめんな。」

クスッ
月の笑い声が微かに聞こえた。

「そんな、いつもは私が休みの日にあなたがお仕事でも、謝ったことなどないのに…急にどうしたんです?」

怪しげに笑う月には、何もかも見透かされてる気がして、怖くなったので逃げるように家を出た。
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