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隷属の首輪 (革命軍編)
第14章 決して抗えぬ運命……翻弄される心……
「答えろっ。私たちの演技は完璧だったはずだ……見抜かれる、はずが……ない……!」
「ああ、オマエたちの演技は完璧だった……俺も完全に騙されていた。それは……素直に認めてやろう」
「では、なぜだ?」
「答えは簡単だ」

 冷淡な笑みを浮かべてアリーク様は、底冷えするような声で

「裏切り者がいた。それだけのことだ」 
「う、嘘でしょ……とても信じられないわ」

 でも、それしか考えられないわ。
 だけど、一体誰が裏切ったっていうの……。

「だ、黙れ! そんな、戯言を私が信じるとでも思うのか? 私の仲間をバカにするな」
「せ、先生……グレイファス先生……無理しちゃダメ!」

 血まみれになりながらも進もうとするその姿に、恐ろしいまでの執念を感じたわ。それと同時に、その意思を支えているーー仲間への、揺るぎない想いも。

「まったくミクリアといい。キサマ達の狂信ぶりには恐怖すら感じるぜ。どうしてそこまで人を信じることができるのか? 俺にはまったく理解できない感情だぜ」

 今まで動かなかったアリーク様は、ついに自分から動きだした。

 ジャラジャラと鎖を鳴らし、それを鞭のように叩きつける。

 いくら先生といえで、自分の渾身の一撃をまともに受けた後では、ろくに動けないみたいね。

「っ……ぐああああああああっ」

 鉄の鎖の直撃を受け、グレイファス先生は絶叫した。

「いいぜっ! もっと鳴け! 叫び! ほら、ほらほらほらほら」

 ヒュンッ……ヒュ、ヒュンヒュン!

 ビッシィィイィ!!

「あうっ! ひぐっ……あっがああああああああ」

 一度叩いたところを狙い、何度も同じところばかりを打ち据えていくわ。
 コスチュームが裂け、白い肌が赤くはれ上がっても、容赦ない攻撃はつづく。

「はうっ! あぐっ! ぐっ……あぐうぅぅぅうっ」

 ビシ、ビシ、ビシッ! バッシィィイィィィン!!

「あっがああああああああああああああああ」
「あ、ああっ! せ、先生ぇ……」

 こ、このままじゃ……先生まで、捕まっちゃう……。ここで、先生を失うわけにはいかないのに……
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