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第14章 決して抗えぬ運命……翻弄される心……

「撤退！　早くっ！　しんがりは私と先生が務めますから、皆さんは退いてください」

　血の香り立ち込める戦場に、ひときわ凛と轟く声音。
　劣勢の味方を鼓舞し続けたその声に、痛切な悔しさが滲む。
　
　あの時、私がしっかりトドメを刺しておけば……これほどの劣勢に陥ることはなかったかもしれないの。

　私の甘さのせいで多くの同胞を失ってしまった。

　でもまだ、間に合うはずだ。一人でも多くの同胞を逃がすべく奮闘しているとしいるところだ。




　
　先生から私の他にも数多くの女性が捕らわれていることを聞き。
　先生とで手分けして、その人達を牢屋から助け出したとろまでは良かったんだけど、すぐにアリークが呼んだ魔物《オーク》たちと戦闘になってしまったのよ。

「逃がすなっ」　
「殺せ、殺し尽くせ」
「皆殺しだ。誰一人して生かして帰すな」
　
　戦闘になれば当然血も流れるわ。
　多くの血が流れば恐怖が生まれる。
　恐怖が生まれれば当然士気も下がるというものだ。
　士気が下がれは統率力を失う。
　統率力を失えば……待っているのは全滅だ……。

「……きゃあっ、助けて……」
「痛いっ！　痛いよ……うえええんッ」
「まだ、死になくないよ……んんっ」

　そしてなにより反乱軍のほとんどは、戦闘訓練など受けたこともない一般人だ。
　最初から結果など見えていたのかもしれない。

「先生……このままじゃ」
「わかっています……んんっ、でも今は目の前の敵を倒すことだけに集中しなさい」

　先生と背中わせてオークと戦っているわ。