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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
 

 ***

 水曜日――。

 秘書歴が長い沙紀さんから、株主総会を開く手続き関係を衣里と聞いた。

 臨時総会を来週の月曜日に開く旨の書状は、今頃は株主の自宅に着いていることだろう。

 もう後には引けない。

 結城の顔も覚悟を決めて精悍なものになってきた。

 月曜日から、衣里と宮坂専務は仕事の合間に病室に寄り、そこに営業帰りの結城が居れば結城への講師となり、夜中もそれは続いている。

 忍月の重役と面談するにしろしないにしろ、結城が副社長と対峙するのは免れない。超エリートの生きる標本のようらしい男にどんな野次を飛ばされても、切り返せるだけのものを結城が身につけなければならない。

 専務曰く、副社長は温情がなく、権威主義、利己主義、そして実力主義で物事を見るのだという。今まで幾多もの部下を非情にも即座に切ってきたそうで、そんな男と、月代社長から続く人情派の結城は正反対の位置にある。

 副社長が専務と対立するのは、専務もまた月代社長の精神を受け継いでいるからだと思ったが、それ以外にも次期社長を巡っての戦いがあるようだ。

 副社長は……忍月財閥の現当主で忍月コーポレーション社長の甥にあたるらしく、現存している社長の親戚関係においては、副社長が一番社長に近しい三親等内であることから、次期社長という噂があるそうだ。

 だが朱羽によると、忍月コーポレーションの拡大を図ってやり手の専務も社長に抜擢されるという噂もあるそうで、さらに専務のシークレットムーンの統括を社長直々が認めたことからも、副社長は専務を目の敵にしているらしい。

 実際の所、専務に社長自らの打診もあったそうだが、専務は密やかに辞退したのに、社長は諦めず、その一件も副社長の耳に届いてしまい、副社長はどうにかして専務を失脚させたいらしい。

 そのためのカモにされたのが、専務が後ろ盾をしていたシークレットムーンということだ。
 
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