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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
四時三十分――。
朱羽はノート型パソコンとタブレットをカバンに入れると、結城に電話をした。
「……はい、これから出かけます。では結城さん、六時に。はい」
「朱羽、六時ってなにかあるの?」
「……ある。だから俺達は結城さん達と分担したんだ」
そう朱羽が笑った時、宮坂専務と沙紀さんが入ってきた。
「お、ナイスタイミングだったな」
「はい。では渉さん、六時で、連絡をお願いします」
「ああ、速やかに密やかに直ちに迎えと伝える。俺はここから月代さんと高みの見物をしてるぞ。任せたぞ、朱羽」
「はい。では行ってきます。鹿沼さん、三上さん行きましょう!!」
杏奈は、ピンクのふりふりドレスを久しぶりに着ていた。
目鼻立ちの大きい美人顔が、化粧によって西洋の陶磁人形のようになる。
「……これは、今の杏奈の正装。そして鎧。よし、大丈夫、行こう」
「絶対、三人で戻ってこようね! 課長、杏奈!!」
「勿論です。一番心配なのは、あなたなんですが」
「も、もう大丈夫です! あたし、杏奈も離さないからね!」
「ありがとう鹿沼ちゃん」
「では……」
あたし達は専務と沙紀さんに頭を下げて、声を揃えた。
「「「行ってきます!!」」」