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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 
 
「俺も渉さんも、愛するひとを忍月の手に触れさせないように策を練ってきていた。俺も、まだ隣にいないあなたを絶対手に入れたくて、ずっと」

「……っ」

「俺があなたのすべてを守れるとは言い切れない。あなたに苦労をかける部分は必ず出てくる。それでも、俺と戦ってくれる?」

「勿論よ」

 即答すると、朱羽はさらにぎゅっと強く抱きしめてきた。

「ありがとう。次期当主になろうとも、戦うと俺の手を取ってくれたあなたを必ず傍に置く。それは誓うよ」

「うん」

「できるなら俺は、渉さんと共に、忍月を出たいんだ。もしそれがうまくいったら、車もこのマンションも捨てることになるけど……」

 朱羽はあたしを見た。

「そんな俺でもいい? あなたに相応しい男になりたくて、これもオプションにしていたんだけれど」

 そう、苦笑する。

 "あなたに相応しい男になりたくて"

 ハイスペックすぎるから!!

「オプションなんていらないわ、あたしは朱羽だけが居ればいい」

「ありがとう……」

 朱羽の声が嗚咽混じりになる。


 愛おしい――。

 朱羽が愛おしくてたまらない。

 胸が苦しくて、切なくて……泣きそうになる。
  
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