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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
朱羽がどうしてもと手を引き、あたしを浴室に連れた。
真上から降り注ぐ浴槽の中、抱き合うようにして座ってキスをした。そして朱羽はあたしの口の中に飛沫が入るよう、あたしの顔を持ち上げ、あたしを仰け反らせるようにして舌を差し込み、口の内側を丁寧に擦る。
湯なのか唾液なのかわからぬものが、口端から流れ落ちた。
さらにあたしの舌の表面は、先端から奥、側面や裏まで朱羽の舌で舐められ、時折舌や唇をちゅうちゅうと音を立てて吸われると、温かな飛沫を浴びているのに悪寒にも似たぞくぞくとしたものが全身を駆け巡り、朱羽に凭れるようにして力なくそれを受ける。
浴槽の湯が胸当たりまで溜まったところを見れば、長い間あたしは"洗浄"されていたのだろう。
朱羽はシャワーを止め、静まりかえった浴室で、ハアハアとしたあたしの息が響く。
朱羽は自分の胸にあたしの頬をつけると、あたしの頭を頬擦りしながら、お腹を手で撫でた。
「お腹、大丈夫? 吐きたくない?」
「……うん、大丈夫。慣れた」
「……っ」
額で頭上をぐりぐりと強く擦られているようだ。
これは朱羽なりの照れ隠しか。
「……他の男にするなよ」
「するわけないじゃん。朱羽だけだよ?」
「……うまくならなくていいから」
「朱羽の好みに合わなかった? だったらどうしたらよかったんだろう。朱羽が感じるのってどこ? 先っぽのところ舌でぐにぐにすればいいってネットに書いてあったからしてみたんだけど……」
「ネットでそんなもの見なくていいからっ」
また頭上に朱羽の額がこすりつけられた。
「だって……気持ちよくなって欲しかったんだもの。次に、どう改善すればいい?」
「……っ、次、なくていいし!」
「嫌いだった? そっか……」
「そうじゃなくて!」
「だったらよかった?」
俯き加減の朱羽の頬に両手を添えて、上に上げて見ると、朱羽の顔が赤い。湯にあたったのかとも思ったが、それにしては艶っぽい。