この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 
 なんて、なんて素晴らしい仲間なんだろう。

 どうだろう、朱羽。

 少なくとも、あたし達の精神的な力になるのだから。背中を押してくれる力となってくれるのなら。

 彼らの力を借りようじゃないか。

「――香月。お前なら、もうわかってるだろ? 俺達がお前の正体をわかっている理由」

 ……ああ、そうだ。彼らの物言いは、朱羽が財閥の御曹司で、抗争があるということを示唆していた。

 それは彼らが知ったのは、多分――。

「お前が色々考えて自己犠牲を決めたように、違う方法でちゃんと色々考えて、言いたくないことを話してくれた奴がいるんだよ」

 結城達は身体をどかした。

 あたしと朱羽の前に道が出来、その奥にいたのは、

「お前が俺を守ろうなんて、百年早いんだよ、朱羽」

 椅子に座って、腕組をしていた宮坂専務。
 
「渉さん、なんで……」

「仕方ねぇだろうよ。どんなに俺達にとってはトップシークレットの話だろうと、どう考えても俺が出来ることは……、シークレットムーンの連中の底力に頼るくらいしか思いつかなかったんだから。それじゃねぇと誰がべらべら喋るか、沙紀にもずっと言えなかったことを。自慢できる家柄ならまだしも、母親殺されてる、こんな酷いところなのに。だけどまあ、だからこそ、こいつらは一丸になってくれたんだがよ」

 "母親を殺されている"

 誰も驚かない。

 そこまで専務は自分を曝け出して、皆に話したのか。
 
 ……恐らく自分のためではなく、朱羽のためだ。朱羽の心を守る力が欲しかったからだ。同時にそれが、この事態を打開できる術になると信じて。

 専務の眼差しが険しくなる。

「なあ朱羽、カバ。俺は……お前らを犠牲にしてまで、沙紀と"こっち側"で幸せになりたくねぇんだわ。かといって"あっち側"にも行く気はねぇ」

 沙紀さんが横について、専務の肩に手を置く。

 童顔で小柄で、だけどパワフルな沙紀さんが、まるで聖母のように慈悲深い眼差しを向けて語る。

「私も話は聞いたわ。朱羽くんか渉か……だけどね、朱羽くん。どちらかだと悩むあたり、既にお祖父様の術中よ?」

「え?」
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ