この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 

「お前が朱羽を支えてくれるなら、俺はいつだって、朱羽だけではなくお前のためにも、全力で助力しよう。お前達が道を誤りそうなら、俺はどんな手段をもっても全力でそれを止める。だから脇道に惑わされず、ただ前だけを見て、走れ」

「ありがとう、ございます……」

 涙ぐんで俯いたあたしに、専務は笑いながら頭を掻いた。

「しかし、俺、結城達に言ってたんだわ。お前と朱羽はまだ結論つかずに、俺に遠慮してへんな顔してここに来るはずだと。まさか、朱羽があんなに嫌がっていた次期当主を決意して、お前ごと本家に入る覚悟だったとは。朱羽がそこまで、お前を得たことで強くなっていたとは。いや、お前が朱羽を受け入れて、本家に乗り込むまでの覚悟をしていたのも誤算だ。……これもある種の化学変化か。本当にお前らは、俺を楽しませてくれるよ」

 専務は笑った。

「お前達が退職願を持ってくるなど、俺との話が違うから、結城達は焦ってお前を詰った。全部見通せなかった俺のせいだ。すまなかったな」

「そんな、とんでもありません! あたしも朱羽も、もっと皆と話し合えばよかったんです。ふたりで、話を進めてしまったから。彼らを傷つけてしまった、当然の報いだと思っています」

「はは、そうか。朱羽も痛かっただろうな、結城、かなり必死だったから。いい友達を、お前も朱羽も持ったよ。……結城も、お前に惚れてたんだろう?」

 あたしは返事できなかった。

「お前達がいない間、あいつ真剣に朱羽を忍月から救おうと声を出してくれたんだ。お前を奪う男を本気で助けようと」

「……結城らしい。そういう奴なんです」

「はは。なぁ、カバ。朱羽から、あのクソババアやジジイの話を聞いてなおも、お前は朱羽と本家に入ろうするほど、朱羽に惚れてくれてありがとうな」

「別にお礼なんてっ」

「俺も朱羽も、いい女と仲間に巡り会ったな。こんな問題児達なのにさ」

 専務は嬉しそうに笑った。


/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ