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いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 


「うわっ主任! どこから出てきたっすかあ!?」


 うつぶせで倒れたあたしの目に映ったのは、見慣れた分厚い唇。

 しゅうしゅうと息が漏れている。


「なんで木島くん!?」


 あたしは木島くんの上に倒れていて。

 しかもよく見ると、あたしの片手から僅か数センチ上に、ピンク色にぷっくりと膨れたチクビーがあり、反対の手は彼の下半身を触っていた。

 ……この、手の下にある膨らみはなに?

 腰に巻いているタオルの上。

 これは――。


「きゃあああああ!!」


 悲鳴を上げれば、後ろから衣里も杏奈も出てきて、前方からはネコを抱いた結城と朱羽が現われた。全員でお互い顔を見合わせ、悲鳴のような声が浴室に飛び交う。

 慌てたあたしが、もがくように手をばたつかせて前方のなにかを掴めば、それは近づいた結城の下半身に巻いたタオルだったようで、慌てた奴は露わになった股間をネコで隠す。

「ふう……危機一髪」

「どいて下さいっ、陽菜、そこから離れて!!」

 朱羽があたしの腕を掴んで木島くんから引き離す際、あたしの身体からタオルがはらりと落ちた。隠すものがないため、朱羽は慌ててあたしを抱きしめ、自分の背を皆に向けた。それは数秒の早業。

 本家本元の匂い――。

「見るなよ、誰も俺の陽菜を見るなよっ」

 かなりパニックになっているらしい朱羽の悲痛な声が場に響き、あたしは朱羽と相撲をとるように、あるいはへたくそなダンスをしているかのように、そのまま後方……朱羽達男性陣が居た方に移動した。

「みゃ~、みゃ~」

「こら、暴れるな、お前は香月の後追わなくていいからっ!! あ……」

「ぎゃああああ、この変態っ!!」

 慌てた結城の声と同時に、衣里の悲鳴と平手打ち。

「三上さん……、その谷間、最高っす……」

「木島っちから鼻血が吹き出た~っ!!」

 ……各々の声が溶け合った。

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