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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第4章 贖罪
ホテルのレストランを出て、海辺を散歩した。暑すぎず寒すぎない浜辺には、カップルが数組、ふたりと同じように散歩をしていた。
「ずっと付けてくれているんだね。」
今泉は冬の胸元の、ダイヤモンドのネックレスを見て嬉しそうに言った。
「お守りなの。それにとっても気に入っているの。」
冬は胸元のネックレスにそっと触れた。
「名前が犠牲者リストに載った時のことを思い出しただけで、僕は今でも胸が苦しくなるよ。」
冬をきつく抱きしめた。
…静さん。心配させて本当にごめんなさい。
いつもの優しい顔が険しくなった。
「心配性なのは分ってる。でも僕は…恋人を亡くしたことがあるんだ。」
…えっ?
今泉は突然自分の過去を話し出した。
「いつか結婚したいと思ってたんだ。僕は勉強で忙しく、彼女をかまってあげることが出来なかった。会えなくても待っててくれると信じていた。3ヶ月…会えなくて、彼女のアパートへ行ったら、引き払った後だった。」
冬はドキドキしながら聞いていた。
「実家へ行くと…彼女が自殺していたことを知らされた。妊娠していたんだ。そのことを誰にも相談できず、思い悩んでいたらしい。彼女は僕に捨てられたと思ったんだ。」
冬はしっかりと今泉を抱きしめた。
「僕が…きちんと彼女と話す時間を持っていれば、あんなことにはならなかったんだ。」
「あなたは彼女を裏切ったわけでは無いわ。」
今泉は泣いていた。
「今まで誰にも言えなかった。友人にも、誰にも…。」
冬は何も言わず、ゆっくりと今泉の背中を撫でていた。
「私に…話してくれてありがとう。」
今泉の整った顔は、悲しみで歪んでいたが、そっと冬と離れ、ゆっくりと歩き出した。
「僕は子供が出来なくても仕方が無い…これは贖罪なんだと思った。その覚悟も出来てた。」
カップルが波打ち際で靴を脱ぎ、波と戯れていた。
「でも僕はトーコさんに一目ぼれしちゃったんだ。トーコさんのことを知れば知る程どんどん好きになった。あなたが、初めて僕の家に泊まった時に、欲情してた。心からあなたの身体も愛したいと思った。」
…酔っぱらって、静さんの部屋に泊まった時だ。
「ずっと付けてくれているんだね。」
今泉は冬の胸元の、ダイヤモンドのネックレスを見て嬉しそうに言った。
「お守りなの。それにとっても気に入っているの。」
冬は胸元のネックレスにそっと触れた。
「名前が犠牲者リストに載った時のことを思い出しただけで、僕は今でも胸が苦しくなるよ。」
冬をきつく抱きしめた。
…静さん。心配させて本当にごめんなさい。
いつもの優しい顔が険しくなった。
「心配性なのは分ってる。でも僕は…恋人を亡くしたことがあるんだ。」
…えっ?
今泉は突然自分の過去を話し出した。
「いつか結婚したいと思ってたんだ。僕は勉強で忙しく、彼女をかまってあげることが出来なかった。会えなくても待っててくれると信じていた。3ヶ月…会えなくて、彼女のアパートへ行ったら、引き払った後だった。」
冬はドキドキしながら聞いていた。
「実家へ行くと…彼女が自殺していたことを知らされた。妊娠していたんだ。そのことを誰にも相談できず、思い悩んでいたらしい。彼女は僕に捨てられたと思ったんだ。」
冬はしっかりと今泉を抱きしめた。
「僕が…きちんと彼女と話す時間を持っていれば、あんなことにはならなかったんだ。」
「あなたは彼女を裏切ったわけでは無いわ。」
今泉は泣いていた。
「今まで誰にも言えなかった。友人にも、誰にも…。」
冬は何も言わず、ゆっくりと今泉の背中を撫でていた。
「私に…話してくれてありがとう。」
今泉の整った顔は、悲しみで歪んでいたが、そっと冬と離れ、ゆっくりと歩き出した。
「僕は子供が出来なくても仕方が無い…これは贖罪なんだと思った。その覚悟も出来てた。」
カップルが波打ち際で靴を脱ぎ、波と戯れていた。
「でも僕はトーコさんに一目ぼれしちゃったんだ。トーコさんのことを知れば知る程どんどん好きになった。あなたが、初めて僕の家に泊まった時に、欲情してた。心からあなたの身体も愛したいと思った。」
…酔っぱらって、静さんの部屋に泊まった時だ。