この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第4章 贖罪
ホテルのレストランを出て、海辺を散歩した。暑すぎず寒すぎない浜辺には、カップルが数組、ふたりと同じように散歩をしていた。

「ずっと付けてくれているんだね。」

今泉は冬の胸元の、ダイヤモンドのネックレスを見て嬉しそうに言った。

「お守りなの。それにとっても気に入っているの。」

冬は胸元のネックレスにそっと触れた。

「名前が犠牲者リストに載った時のことを思い出しただけで、僕は今でも胸が苦しくなるよ。」

冬をきつく抱きしめた。

…静さん。心配させて本当にごめんなさい。

いつもの優しい顔が険しくなった。

「心配性なのは分ってる。でも僕は…恋人を亡くしたことがあるんだ。」

…えっ?

今泉は突然自分の過去を話し出した。

「いつか結婚したいと思ってたんだ。僕は勉強で忙しく、彼女をかまってあげることが出来なかった。会えなくても待っててくれると信じていた。3ヶ月…会えなくて、彼女のアパートへ行ったら、引き払った後だった。」

冬はドキドキしながら聞いていた。

「実家へ行くと…彼女が自殺していたことを知らされた。妊娠していたんだ。そのことを誰にも相談できず、思い悩んでいたらしい。彼女は僕に捨てられたと思ったんだ。」

冬はしっかりと今泉を抱きしめた。

「僕が…きちんと彼女と話す時間を持っていれば、あんなことにはならなかったんだ。」

「あなたは彼女を裏切ったわけでは無いわ。」

今泉は泣いていた。

「今まで誰にも言えなかった。友人にも、誰にも…。」

冬は何も言わず、ゆっくりと今泉の背中を撫でていた。

「私に…話してくれてありがとう。」

今泉の整った顔は、悲しみで歪んでいたが、そっと冬と離れ、ゆっくりと歩き出した。

「僕は子供が出来なくても仕方が無い…これは贖罪なんだと思った。その覚悟も出来てた。」

カップルが波打ち際で靴を脱ぎ、波と戯れていた。

「でも僕はトーコさんに一目ぼれしちゃったんだ。トーコさんのことを知れば知る程どんどん好きになった。あなたが、初めて僕の家に泊まった時に、欲情してた。心からあなたの身体も愛したいと思った。」

…酔っぱらって、静さんの部屋に泊まった時だ。
/492ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ