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壊してほしい
第1章 拾った女の子
『……名前は?』


『え……』
女の子が氷月を見上げる。

『君の名前。
俺は柊氷月【ひいらぎひづき】。ちなみに21歳』


『………藤埜雫石【ふじのしずく】……』


『1日だけでいいんだな?』氷月が言うと、
雫石はパアッと顔を輝かせた。

『――はい!
よろしくお願いします!』


(お願いしますって…)


『あ、それと私……
中学生じゃなくて高校生です。
学生証です、これ』
ポケットから学生証を出して見せてきた。
生年月日・住所を見ていくと、偽物じゃないみたいだ。


『……あ、やっぱり白百合学園【しらゆりがくえん】じゃん……』
かなりの名門女子学園だ。隣の区にあるけれど氷月でも名を知っている。


『……面倒なことにはしません。
約束します。
だから……1日だけ泊まらせてください』
雫石はさっきまでの勢いと違い、
丁寧に深々と氷月に頭を下げた………………………………


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