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壊してほしい
第1章 拾った女の子



『……………………………………3時かぁ……』
夜中である。


カフェ【ひいらぎ】は、
一軒家だ。古民家カフェといえば聞こえはいい。が、小洒落た外観・内装でもなく前時代的。
1階が店舗で2階が居住スペース。バスルーム&トイレは1階の店舗奥にある。


氷月は祖父亡きあと、1人で生活してきた。


祖父が遺したお金もあったから、
贅沢しなければ1人ぶんくらい何てことはない。


ダウンコートを被り毛布を重ねて2階の自分の部屋の隅で寝ている。


ベッドでは、
藤埜雫石が眠っていた。



全く眠れない。

今まで男1人過ごしてきた空間に、
知らない女子高校生が寝てるだけで気になって仕方ない。


(まぁ、
1日だけなら良いって言ったの俺だしね)

自嘲気味に思っていると、ベッドで『うーん……』
と雫石が寝返りを打った。


(………よく寝られんなー………)
さっき知り合ったばっかの男の部屋で。


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