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壊してほしい
第1章 拾った女の子
縺れ合うようにして床に倒れ込む。


氷月は女の子を抱えたまま『……警察に通報するよ』と落ち着いた声で諭す。
『中学生だろ?
夜中に1人で歩いてる時点でダメだよ。
家に帰りなさ…………』

氷月は言葉を切った。


女の子のスカートが倒れ込んだ拍子に捲れている。
白く細い脚が見えた。
そこには、
無数の傷……………


ミミズ腫れのような痕になっている大きな傷もある。


氷月はゴクリと唾を飲み込んだ。


女の子が小刻みに震える。
『……お、お願い………………1日だけでいいんです、
お願い………』



『…………自宅はどこにあるの』
氷月は訊ねた。

女の子は無言。

『帰りたくないとかじゃなくて、
帰れないのか……?』
傷を見ながら問うと、
女の子の身体がビクッとした。
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