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壊してほしい
第1章 拾った女の子
氷月は立ち上がり、

そーっと雫石に近寄った。

ベッドサイドに小さな灯りを点けてある。


暗がりに雫石の白い顔が浮かんでいる。


(………あの傷……)


さっきは脅し(?)を受けて半分諦めモードで受け入れたけれど、
あれは……火傷だとか何か事故の傷だろうか?


刃物の切っ先で削ったような、
細い線ばかりだったけど…………



しゃがみ込み、
頬に手を当て雫石を眺めた。

制服のまま、
ベッドに潜り込んでいる。

『……ん…ん…』

(ん?)
氷月はビクッとして顔を上げた。

雫石は歯を食い縛るようにして顔を歪めている。

うなされているようだ。


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