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壊してほしい
第1章 拾った女の子
昼前になるとランチタイムで客が増える。


ナポリタン・オムライス、ピザトーストなど特別変わったメニューはないのだが。


それでも満席に近いくらいに客は入る。


ランチタイムに訪れる客は、
もちろんランチを摂ると直ぐ帰っていく。



静かに落ち着いて本を読む客が来るのは、
午前中か午後3時以降に多い。


昼12時前に2階に向かって『雫石ー!
洗い物頼む』と声をかけた。


雫石は『はいっ』
とトタトタ降りてくる。
もたついた危なっかしい手つきで、
何とか食器を割らずに洗い物を済ませた。


はーっ……と息を吐いている。


氷月は吹き出しそうになる。
――雫石は見てて飽きない。
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