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壊してほしい
第1章 拾った女の子
『………だっへほんほにおいひぃんだもん』

雫石が拗ねた。


『それは3日……』
空腹だったからでしょ、
と言いかけて詰まった。

『3日………3日坊主だともっと下手かもしんない』



雫石はきょとんとしている。

『……料理が、ですか?』


『あ、うん、そう』
おかしな日本語になったが何とか誤魔化した。
__傷つけるような話は避けたい。
『訊いてもいい?』


『何ですか』
何となく敬語になる。


『氷月さん、21歳なのでしょ?
1人でこのお店やってるの?』


『ああ、ここ元々祖父さんがしてたから俺は継いだだけ』


『そうなんだ。
お祖父さんは?』


『死んだよ、
5年前に』


『えっ…………………』
雫石が固まる。
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