この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淳、光と闇
第9章 淳、屈辱の夜
外へ出ると入り口でマスターと鉢合わせに…
「まずい!!」
「お前…何してる?」
どすの利いた声がバーテンを襲った。
「俺は…こいつと一緒に…
更正する…」
「馬鹿か?お前を
受け入れるところはないぞ?」
「それでも俺は…
こいつとやり直す。」
「死にたいのか?」
「死んでも…
こいつだけは…守る…」
「そんなに死にたいのなら…
望み通りにしてやる…」
淳はバーテンの手を握って走り出した。
「お前だけでも…」
「馬鹿か?あんたは?」
怒りながら二人は必死になって走った。
マスターは部下と一緒に追いかけてくる。
「逃げ切れない…」
淳はそう思った。
一人なら…しかし、この男を…
置いてはいけない。
「誰か…助けて…」
僅かな差で逃げている淳とバーテン。
必死で追いかけるマスターと部下。
「もっと早く走りなさい!!」
「俺は走るのが苦手だ。」
「情けない事言わないの!!
全く、女性を抱くことしか頭にないから
こう言う事になるのよ?」
「それ…言わないでくれ…」
「ごちゃごちゃ言わないで良いから
さっさと…走れ!!」
「ひぃぃ…」
淳は走りながら周りの風景に
見覚えがある事に気がついた。
「あれ?この辺は??」
少し考えて
「分った!!
ほら、もっと走れ!!
もう少しだから…」
「何処へ行く気だ?」
「説明は後…
良いから走れ!!
私が欲しかったら…
死ぬ気で走れ!!」
「待て!!こらぁぁ!!」
マスターが追いすがってくる。
「もう少し…」
「見えた!!
ほら、あそこよ!
あそこに逃げ込むの!!」
「おいおい…
あそこは…」
「良いから走れ!!」