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淳、光と闇
第10章 淳の初恋
それから数日後…
淳は雄二に連絡を取った。
雄二は一度でも淳を襲った罰として…
淳の心に傷を付けた償いとして…
今は省吾の屋敷で
基本からやり直していた。
「雄二君、明日会わない?」
「え?良いの?」
「うん…
食事でもどうかな?」
「喜んで…」
その夜、淳は寝付けなかった。
学生時代から恋という物を
経験した事がない淳。
ドキドキして寝付けない。
「困った…」
淳はそう思って寝ようとするが
全然寝付けない。
淳は今まで二度男性に抱かれたが
それは恋と呼べるものではなかった。
時の勢い…それだけだった。
抱かれたらすぐに別れ話が。
故に淳は心から好きと思える男性と
巡り合った事がない。
しかし、雄二の事を思うと…
胸がドキドキして…
体が熱くなり…
寝るどころの騒ぎではなかった。
「誰か助けて…」
そう思って淳は布団を頭から被った。
次の日…
淳は朝早くから
起き出して準備を始める。
部屋中に洋服を散らかして
次々と着て鏡を見る。
「どれにしよう…」
着ては脱いで脱いでは着て…
なかなか決まらない。
「何やってるの?」
結花が部屋を覗きに来て中を見て
「淳ちゃん、デート?」
「う、うん…」
「誰と?」
「あの…ゴニョゴニョ…」
「誰とよ?まさか雄二と?」
「う、うん…」
「駄目だって
言ってるでしょう!!」
「だって…」
「だってもあさってもない!!
すぐに別れなさい!!」
「でも…」
「あのね。」
「ねぇ、結花ちゃん?」
「何よ。」
「昨日からね、
胸が苦しくて
ドキドキして眠れなかったの…
病気かな?」
「はぁぁ??」
結花は淳がこれほど
男を知らないとは
思わなかった。