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淳、光と闇
第10章 淳の初恋
「淳ちゃん、
ちょっと良いかな?」
「な、何??」
「今まで付き合った
男性っている?」
「い、いないよ。」
「はぁ…」
結花は頭を抱えた。
「それだもの…」
「な、何よ!!」
「あのね、淳ちゃんは
もう少し男を
知らないと駄目よ?」
「し、知ってるわよ!!」
「誰を?」
「そ、それは…」
淳は省吾を思い出したが
少し違う様だ。
「あのね…
ま、良いわ、
デートは許可してあげるけど
絶対に、体を許しては駄目よ?」
結花に睨まれて淳は
「わ、分ってるわよ。」
「大丈夫かなぁ??」
結花は部屋中に
散らかっている洋服を見て
淳が心配になったが
今日は日勤なので
付いて行く訳にも行かず…
「本当に寝ちゃ駄目よ?」
「分ったわよ。」
「付いて行っちゃだめよ?」
「はいはい、
私は幼稚園児か?」
待ち合わせの時間
少し前に淳は到着したが
雄二は既に来ていた。
「待った?」
「少しだけ。」
淳は雄二の足元に落ちている
煙草の吸殻を見てくすっと笑った。
「さぁ、行きましょう。」
「う、うん。」
歩きながら雄二に
「旦那様のお屋敷での
ご奉公は辛い?」
「仕事だから辛いけど
皆、俺の面倒を見てくれる。
だから、辛いとは思わない。」
「そう、良かった…」
「ただね。」
「何??」
「旦那様が淳ちゃんの事で
お前は一度は犯罪を犯したが
淳ちゃんを幸せにする事で
罪は消える。
しかし、罪を消す為に
淳ちゃんと付き合うなら
すぐにやめなさい。
と言うんだよ。」
「そう。
で、雄二君はどう思ってるの?」
「俺は単純馬鹿だから
単純に淳ちゃんが好き。
それだけ。」
「そうなんだ。
私の体を欲しくないの?」
「そりゃぁ欲しいよ。
でも、今の俺では
その資格はない。
今、こうして淳ちゃんと
並んで歩く資格も
本当はないのだから。」