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淳、光と闇
第11章 片羽の天使
淳が雄二と付き合いだしてからも

淳が多忙には変わりなかった。

雄二は休みごとに淳に会いたかったが

今は自分も修行の身と我慢するところは

我慢し続けた。

省吾はそんな雄二を遠くから見ていた。

「あの若者は…
年齢的には彼女と一緒にいたい年齢だ。
しかし、雄二は必死で耐えている。
淳ちゃんとは毎日でも一緒に居たいだろうに…
しかし、自らの罪を償い更正する為に
必死で会いたいと言う感情を押さえ込んでいる。
その意志の強さは十分評価に値する。

正志、雄二の奉公の年季が明けたなら…
それまで立派に更正したならば…
身の立つようにしてやれ…」

「は!!旦那様!!」

そんな事を知らずに雄二は自らが

招いた淳への償いと己の罪の償いを

必死になって行っていた。

そんな雄二を由美は

「淳ちゃんに会いたいだろうに…」

と涙さえ浮かべた。

「正志、たまには雄二君に
お休みを与えて…
淳さんと一緒にいられる時間を
作りなさい…」

「は!!由美様。
旦那様にもその様に
仰せつかっております。」

「頼んだわよ…
あの青年は…
真面目すぎるのです。
しかし、その真面目さが
いずれは大きな財産となります。
たまには褒美を取らすのも良いでしょう。」

「は!!かしこまりましてございます!!」

一方、淳も必死で働いていた。

少し休むと雄二の事が頭に浮かぶ。

「会いたい…」

その想いを必死で堪えて淳は

仕事に没頭した。

看護師と施設の教師。

「淳ちゃん、たまには
休まないと駄目よ?」

ゆりに言われても

「うん、休むから…」

それしか答えない。
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