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淳、光と闇
第17章 咲とおしゃれと美紀
挨拶を見ても分るように咲は
とにかく明るく元気にと勤めた。
二人の先輩看護師の美紀は咲に
「咲!!お前は明るすぎ!!
患者さんがびっくりして…
ショック死するわよ…
少しはわきまえろ!!」
といつも咲に注意するが咲は
「患者にとって元気が一番です!」
と相手が先輩でも譲らない。
患者側にとって結花と咲…
どちらが良いかは個人の好みだが…
さゆりも咲が元気過ぎる事へ懸念を示す。
「体調が優れない患者には逆効果ですよ?」
と咲にアドバイスを送る。
咲はそんな事はとっくに分っていた。
咲の担当で少しでも体調が優れない
患者がいると…
朝の元気な挨拶の後担当の病室へ
再び出向きその患者の横に座って
「体調は…いかがですか?
どこか…具合の悪いところは…
ありませんか?
遠慮なく…言って下さいね。」
この時の咲の目の優しさは
病棟看護師の中で一番だろう。
切れ長の優しい瞳は患者に
安心感を与えていた。
とてもあの元気一杯の咲と
同じ人物とは思えなかった。
「最初からそうすれば良いのに…」
結花が良くそう言っている。
優しさに関しては淳もさゆりも
咲には勝てなかった。
「全く…変わった子だわ…」
ゆりもぼやく。