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第17章 咲とおしゃれと美紀

「え？……」

「私が生まれてから聞いたのだけど…
母はおしゃれが好きだった。
その日も…おしゃれに気を取られて…
目を放した隙に機器が停止していて…
父は…死んでしまった…
それ以来、母は…
人間を捨てたの…女を捨てたの…

私…そんな母が…許せなかった…
そして…今でも…
人を…おしゃれなんかで…
殺した人間が…総婦長なんて…
私…絶対に…認めない！！
だから…今は父の性を名乗り
母とは別居してるの…」

美紀の話を淳達は黙って聞いていた。

「ほらほら…
暗くならない…」

美紀が手を叩くと全員が美紀に

飛び掛って泣いた。

「美紀さん、ごめんなさい…
ごめんなさい…」

「こらこら…
個人的なことで感情的になるな…
それより…咲！！」

「はい！！」

「救急救命は…
一分一秒を争うわよ？
気を抜いていたら…
取り返しがつかなくなる…
肝に銘じなさい！！」

「はい！！」

「おしゃれなんかしている暇…
ないわよ？」

「はい！！」

「よろしい…」

美紀は咲を抱きしめて

「頑張るのよ？
貴方は…私の愛弟子なんだから…
失敗して…私に恥を書かせたら…
承知しないわよ？」

「はい…」

「さ、これから…
勉強会しましょう。」


「はい！！」