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淳、光と闇
第23章 救急救命の死闘
「カンフル!!」

要求が出た時はすでに淳は

カンフルを持って待ち構えていた。

「やっぱり…淳は天才だ…」

「普通なら
体が覚えるまで半年は掛かる。
それをあの子は…」

体の反応が遅れる為に

遅れる分を淳は頭脳でカバーしていく。

健は処置後コーヒーを飲みながら

「少しは分ってきたな。」

そう言ってコーヒーを飲んだ。


健は絶対に淳を誉めない。

咲は健に

「先生、何で
淳ちゃんを誉めないのです?」

「誉めるに値しない。」

「そんな…酷い…」

「あいつは救急救命の
本当の怖さを知らない。」

「それは…」

咲もそれを聞くと黙ってしまった。

淳は救急救命の本当の怖さを知らない。

しかし、淳がそれを知るのには

時間は掛からなかった。


ある日、重症患者が運び込まれてきた。

交通事故で意識不明の重体。

内臓破裂に眼球損傷。

「すぐに眼科へ応援要請。
内科、泌尿器科、消化器科へ
応援要請…」

健の指示が飛ぶ。

「淳、手術の準備。」

「出来ています。」

「返事はハイで良い」

「はい!!」

二人は走りながら前を見ながら会話している。

視線の先は手術室。

決して顔は見なかった。

見れば数秒遅れる。
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