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第23章 救急救命の死闘

咲が淳に

「淳ちゃん、凄いよ。
普通なら半年は掛かるのに…」

「咲ちゃん、私…
半月しかいれないのよ？
半年も待てないよ…」

淳はそう言って笑う。

やがて半月が過ぎて

看護師とスタッフは新規で補充され

淳は看護師に引継ぎを行った。

「たった半月で
あいつは看護師を束ねてしまった。
生まれながらに看護師ってか？」


そして今日で淳が救急救命から

第一内科へ帰る日。

その日は珍しく急患は皆無。

浩太と健、咲に夢子らが淳の

送別会をささやかに開いた。

それは…誰もが淳の努力を認め

その類まれな才能を認めたからだ。

「皆さん、半月でしたが
お世話になりました。
私、ここで多くを学びました。
命の最前線、命の重さを学びました。
有難うございました。
どうぞ、お体だけは大切に…」

淳は深々と頭を下げて挨拶をした。

健が

「おい、俺が仕事しすぎで
体を壊したら
第一内科へ入るから
ベッド開けておけ。」

そう言うと淳は

「先生…
煙草、半分に減らして下さいな？
それと第一内科は基本禁煙ですよ？」

そう言って笑う。

「タバコが吸えないなら
行かない…それに
お前みたいなじゃじゃ馬が
看護師なら治る物も治らない」

「じゃじゃ馬にしたのは
先生ですよ？
責任取ってくださいね？」

「こいつ…」

笑みが笑いが救急救命に溢れた。

淳は救急救命を後にした。

「さぁ、内科へ帰ろう…」

淳はここで

看護師として大切な物を学んだ。

技術、知識もそうだが

それよりも大切なこと。

命の最前線…命の尊さ…

命を救う重要性…

一秒の判断の重さ。

また一回り淳は成長した。


健は夢子に

「やっぱりあいつが
ここに…欲しい…」

「うふふ…
先生…今は無理ですが…
いずれは…淳ちゃん…
欲しいですね…」

二人はそう言って淳を見送った。