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第25章 小さな命、ゆりの想い

「私、もう駄目だ。」

それを黙って聞いていた結花が

「ゆり！起きれる？」

「大丈夫…」

ゆりが起き上がると結花がゆりの

胸倉を掴んで

「あんた！なんで？
自殺なんて…
パパとママ、どんなに
悲しむか分っているの？」

そう言ってゆりの頬を張り倒した。

「結花ちゃん、お退きなさい！！」

さゆりがゆりの反対の頬を張り倒す。

「痛い！！」

二人はゆりを睨みつけて

「痛いよね？
痛いように殴ったから！」

さゆりはゆりに

「看護師が恋をしてはいけないと
言う決まりはありませんが…
失恋して自分の命を粗末に
する人間は看護師として
失格ですよ！！」

「ゆり、あんた、
どうして…？？

どんなに困っても…
どんなに悩んでも…
どんなに苦しくても…
パパとママにだけは
悲しい想いさせないと…
私達、誓ったよね？

私達を拾って我が子のように
育ててくれて、あんた…
それでもまだ不満なの？

パパとママを…
ゆり！！あんた！！
裏切る気なの！！？？」

結花はゆりに抱きついて

「どうして…どうしてよ…
悩んでいるなら
どうして相談しないの？
今頃…パパとママ
悲しんでいるわよ？
ゆりの…馬鹿ぁ！！」

そう言って結花はゆりに

抱きついてわぁわぁと泣いた。

「私…」

「ゆりちゃん！！
今回の事の責任を取るのよ！
処分は退院してから
言い渡します…」

さゆりはきつくゆりに告げて

その場を去っていった。


詰め所では淳達がさゆりに

処分を許して欲しいと泣きついている。

「婦長さん、
どうか…どうか…
ゆりちゃんをお許し下さい。
ゆりちゃん、心に傷を追って。
ですから、どうかお許し下さい。」

淳を中心に勝枝や美紀、

みゆに舞、咲までがさゆりに

処分を許してくれと嘆願した。