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淳、光と闇
第26章 みくの家庭教師
「良いか!!
淳ちゃんは純粋に…
同僚の結花ちゃんが
親友が癌で助からないと
泣いているのを見て
素直に助けたいと看護師長に
直訴した。それには狙いも何もない。
ただ、ただ、純粋に患者を…
同僚の親友を助けたい…
それだけの想いで…
自らの看護師生命を掛けた。
君に…それだけの覚悟があるかな?」
「私…」
「今回の件は…
わしも協力を惜しまない…
優子君…希望を捨ててはいかんよ?」
省吾はそう言って部屋を出て行った。
由美が後に続いた。
「私に足りないもの…」
優子が考え込んでいる。
「旦那様…
淳ちゃん…」
「分っておる…
さゆりさんの怒りに触れたのも…
あの子の優しさがいずれは
己を滅ぼすと言う判断じゃろう…
全く…どこまでも淳ちゃんは
優しい子よのう…」
「旦那様…」
「由美君…
さゆりさんの病院に…
ドイツから癌の権威を呼びなさい。
必ず…患者を…優子君の娘さんを
助けるのじゃ。」
「かしこまりました…」
みくは自らの命との戦いを始めた。
一方…淳は謹慎中に自分の弱さを
考え直して葛藤している。
「私…」
それぞれの戦いが始まった。