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淳、光と闇
第29章 省吾の入院
健も省吾を睨んでいた。

「先生!!省吾様に…
謝って!!」

「なんで…?」

「なんでって…
省吾様は…」

淳が健を睨んだ。

「俺は…ここでは…
誰も…差別しない…
だから…この爺さんも…
差別はしない…」

健は煙草を咥えながら去っていった。

「もう…駄目だ…」

淳が必死になって省吾に縋りついた。

「旦那様…どうか…
どうか…お許しを…」

「わはははは…!!」

いきなり省吾が笑いだした。

「これは愉快じゃ…
わしに…あのような事を申す者がおったとは…
愉快じゃよ…」

「だ、旦那様…」

「淳ちゃん、ゆりさん、美紀さん…
気にしないでいいよ…
淳ちゃん、医療の最前線…
しかとこの省吾…見させてもらった。
わしが知らない病院での戦争…
勉強になった…礼を言いますよ。」

三人に省吾は頭を下げた。

「旦那様…」

「それにしても…
わしの可愛い淳ちゃんが…
あのような鬼気迫る表情をするとは…
淳ちゃん、格好良かったぞ?
それに…怖かった…
あははは…」

「旦那様ったら…」

淳は真っ赤になって省吾を睨んだ。

病室へ戻った省吾は由美に

「あの健とかいう医者…
大した度胸じゃ…
由美君、健と言う医者…
調べてくれ…」

「かしこまりました…」

その頃詰所では

「た、助かった…」

全員がへなへなと崩れ落ちていた。

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