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第30章 健と省吾

「淳ちゃん、その手は何かな？」

淳はにっこり笑って

「旦那様…淳との約束でございます。」

「何かな？」

「そのポケットに入っている…
お茶を…淳は預かりまする。」

「淳ちゃんはよく見ているなぁ…」

淳はにっこりと笑っているが目は怒っていた。

「ははは…」

笑ってごまかす省吾。


次の日…省吾は淳にこってりと絞られた。

「全く…淳ちゃんには勝てんわい。」

さて検査は進み

詰所では騒ぎになっていた。

省吾の検査結果に異常が発見されたのだ。

淳は医師の許可を取り省吾に

病気の事を告知に出向く。

それは検査結果の事については

淳からでないと聞かないと省吾は

がんとして聞き入れなかったからだ。

「旦那様…手のかかる…」

淳はぶつぶつ言いながら

省吾の病室へ向かった。

「失礼します…」

「淳ちゃんか？入りなさい…」

「旦那様…ご気分はいかがですか？」

「あまり良くないよ…
さっき、美紀さんに我儘はいけませんと
こってり怒られたところだ。」

ムスッとして省吾は言う。