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淳、光と闇
第30章 健と省吾
省吾は後悔した。

検査結果を淳に伝えるように

我儘を言った自分を責めて恥じた…

淳の様子から…

自分は決して良い状態ではない。

それを淳は自分に辛い事を

話さなければならない…

省吾は自分を責めて恥じた。

「許せ…」

淳の頭を撫でながら

「淳ちゃん、遠慮なく申せ…」

「はい…
淳は淳は…つろうございます…」

「すまぬ…しかし…
教えてくれ…」

「はい…」

淳は座り直して省吾の目を見ながら

「旦那様の脾臓は…
手術して…治る確率は…
50%で御座います。」

「そうか…」

省吾はじっと淳を見た。

「委細…承知した…」

「旦那様…」

「淳ちゃん、50%…
半分は助かるのじゃろう?」

「は…い…」

「心配するな…
わしは…まだまだ…死なんよ…
淳ちゃんが雄二と結ばれるのを
見るまではな…」

「旦那様…」

「で、執刀医は…」

「俺だよ…じじぃ…」

「な、何と!!」

省吾は後ろを振り返ってみると

そこには健が立っていた。

「君が…わしの執刀をな?」

「そうだ…俺が執刀すれば…
50%が90%に跳ね上がる。
もちろん、成功確率がな…」

「うむ…」

健は省吾のベッドに腰を掛けて

「じじぃ、あのな…
誤解しないように言っておく…
俺は…じじぃの
執刀をする気はない…
しかし、このじゃじゃ馬が
俺に縋ってきた。
俺は断ったが…
じゃじゃ馬の奴は

「先生以外に
旦那様を助ける事が
出来る医師はいないの…
だから…お願い…
執刀して…
先生が執刀してくれるなら…
私…私…
先生の望む事…
聞いて…叶えます…」

そう言って泣いて
頼んできたのさ…
俺は…じじぃ…
あんたの為に執刀するのではない。
じゃじゃ馬の頼みだから…
あんたの手術を執刀する。
褒美は…もう貰ったし…」

そこまで言うと淳は健を睨んだ。
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