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淳、光と闇
第32章 小さなスプリンターの大きな夢
「はい…
今、あの子の気持ちは
まみちゃんへの想いで一杯なんです。
今まではそれがネックになっていた。
しかし、今はそれが励みになっている。
だから、淳は正平君を大会に出すのです。
でも…でも…」
そこまで言うと淳は省吾に泣きついて
「旦那様!
それでも…それでも…
淳は、淳は…
旦那様!淳はどうしたら…?
助けて…旦那様…お助け下さい!!」
「淳ちゃん…辛いのぅ…」
そう、正平も白血病…
治る見込みは…ない…
そして大会の日…
正平の最大のライバルは勇太。
記録は正平と同じ記録を持つ。
「正平君…頑張るのよ?
まみちゃんの為に…」
淳が激励を送る。
審査員長には省吾が座っていた。
「委員長、
今年の大会はやはり
勇太君ですかね?」
「わしは…そうは思わんがな。」
「は?でも…」
「まぁ、見ていなさい…」
腕を組んでじっと見ている省吾。
正平と勇太は飛んだ。
他の追随を許さない。
あっと言う間に二人は小学生
歴代記録に並んだ。