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淳、光と闇
第32章 小さなスプリンターの大きな夢
バーは…動かない…
「や、やった!!」
ガッツポーズを見せて
「やったぁぁぁ!!」
天に向かって吼える正平。
「やった!!良くやったぞ!!
正平!!」
雄太が自分の事のように喜んで
正平に抱きついた。
「正平…見たぞ?
お前のベビーロール…」
「勇太…」
表彰式で正平はまみの
遺影を抱いて表彰台の
一番高いところに上がり
省吾から優勝カップを受け取って
「まみちゃん…
見てくれたかい?
俺はやった…
まみちゃんの為に…
このカップをまみちゃんに…」
涙を見せて手を上げる。
「正平!!おめでとう!!」
雄太が手を差し伸べたとき…
正平はゆっくり
倒れて表彰台から落ちていく。
「し、正平!!」
雄太が慌てて正平を抱きとめたが…
正平の意識はなかった。
「正平君!!」
淳が駆け出して正平を抱きしめ
「しっかりしなさい!!」
「救急車だ!!
急げ!!」
省吾が怒鳴って自分の為に用意した
救急車に正平を乗せた。