この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淳、光と闇
第35章 親子の絆
「すまん…君達は…
わしの…」
「聞きたくない!!」
二人は耳をふさいで
「そんな話…
私達、聞きたくない!!」
涙をぽろぽろと流して
「省吾様!!
誰かとお間違えでは?」
「いや…調査の結果じゃよ。」
「それなら…なおさら…
聞きたくありません!!」
省吾は二人の前に土下座して
「済まなかった…
わしは…若いころの事とはいえ…
君達を…
許してくれ…」
「許してくれですって?」
結花が省吾を睨む。
「今更…どの面下げて…」
ゆりが省吾を叱咤した。
「あんたね…
私達…今までどんな想いして
生きて来たと思っているのよ?」
結花が叱咤する。
「捨てられて…
今の院長、パパとママに拾われて…
パパとママは私達を実の娘と
思って育ててくれた…
私達が中学卒業の時…
出生の秘密を聞かされた。
でも、私達はパパとママが
いたから…
それでもショックは小さかった。
それ以来、私達は今まで以上に
パパとママを
実の親と思って生きてきた。
今の寮だって
来年には独立できるけど…
パパとママが心配するから
出ないでいようと思っている。
でもね…私達…」
結花が顔を覆った。