この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
淳、光と闇
第36章 省吾の我儘

「旦那様…」

「淳ちゃん…」

「旦那様…
結花は…ここの看護師の中で…
誰よりも優しい子なの…
その優しさが…時には欠点となる事も
ありますが…
それでも…それでも…
結花の優しは変わらない…
旦那様…
結花はああやって自分の患者さんが
逝ってしまうと…ああやって幾日も泣くの。
すべて自分の責任だと…
自分を責めて泣くの…
旦那様…
あれが結花なの…
だから…結花は…誰からも好かれるの…」

「淳ちゃん…今結花が自分の責任と
言っていたが?」

「現実…あの患者さんは…
末期がんで助からなかった…
でも、診断では半年の命を…
結花の献身的な看護で…
一年生きた…でも、結花は…
それを認めない…
結花は自分の力が足りないから
一年しか生きられなかたって…
どんな状況でも自分の見てきた
患者さんが逝ってしまうと結花は
自分の責任と泣いて自分を責める…
逆に元気で退院すると
「元気になったのは…
貴方が頑張ったからだよ。
結花は少しだけ…お手伝いしただけ…」
そう言って舌を出すの。
それが…結花なんです。」

「な、なんと…
逝ってしまった人間には自分の責任、
元気になったら相手の手柄…
そ、そんな…馬鹿な…」

「ゆりもそうですよ。」

「ゆりもとな?」

「同じです…
あの二人は…
ここの誰よりも患者さんの事を
想って心配して…そして厳しく接します。
そんな二人の気持ちは…
患者さんには必ず通します。
どんな弱気な患者さんでも
どんな我儘な患者さんでも…
二人の気持ちは必ず通じて…
そして元気になります。
それが結花とゆり…
そしてこの病院を代表する
看護師としてここに君臨しています。
でも、あの二人は決してそんな事を
口には出しません。
結花を見て分かる通り…
いつも自分のせいにして…
自分の責任と自分を責めて…
そこから優しさと厳しさが生まれてきます。
それが結花とゆり…
私達の看護師としての鏡なんです。」

淳が静かに省吾に言う。
/602ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ