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淳、光と闇
第38章 ゆりの願い、母の祈り




「任せな…
先生…お願いします。」

健太が

「今回はかなり大事だな…
しかし…必ず助ける…
小さな命を…」

手術用の手袋をはめなおした健太。

外科看護師長の舞が

「婦長…久しぶりに…」

「舞…外科の威厳と名誉と
プライドを掛けて…
絶対にゆりを助ける。
分ったか??」

「はい!!」

「遅れてすいません!!」

淳と咲、与太郎が駆け込んできた。

「遅い!!患者は待ってくれないぞ!」

「はい!!」


「急患入ります!!」

ストレッチャーに乗せられて

ゆりが瀕死の重傷で入ってきた。

「ゆり、ゆり!!」

省吾が半狂乱になってゆりを呼ぶ。

「爺さん、ここまでだ…」

「先生…ゆりを…ゆりを…
孫を…助けて…お願いじゃ…」

泣き崩れる省吾…

「俺が…必ず…あんたの…
娘と…孫を…助けてやる。
だから…心配するな…」

健が手袋を締めなおした。

「結花!!
手を貸せ!!」

健に言われて結花は術着に着替えた。

「子供が…生まれる…」

すぐに良子が子供を取り上げた。

「子供は??」

「一人は重傷、他は無事だが
ショックを起している。」

健太はみどりに

「無傷の子は保育器に…
怪我の子供はこちらに…」

冷静に言いながら手術台に向かった。

「待った!!待った!!」

与太郎が駆け込んできて

「子供は…特に未熟児は…
麻酔の量が難しい…
子供の麻酔は俺が見る。
ゆりの麻酔は…」

「ミセスゆりの麻酔は
私がします。」

そこへ現れたのはアメリカから

来ていた癌の権威だった。
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