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淳、光と闇
第7章 小さな命 武への愛
「もう、しないの?」

淳は不機嫌そうに武に言う。

「俺…もう…死んでも良い…」

そう言って淳に抱きついた。

「まぁ…」

武の頭を撫でながら

「武も…立派な男ね?」

「俺は…
立派なおねえちゃんの
弟だよ。」

「そうね…」


武は淳の膝の上で泣いた。

何故武が泣くかを

淳は良く知っている。

武の白血病の最後の治療が…

武の最後の戦いが始まるのだ。

そして、それは…

勝つ確率が限りなく低い戦い。

それでも…武は…

生きる為、淳への想いの為…

自分の未来の為に…

勝てる見込みがほとんどない

戦いに挑む。

「武…必ず…勝つのよ…」

優しい目で武を見つめそして祈った。

「お姉ちゃん…」

「なぁに?」

「俺…死にたくない…
病気が怖い…
死ぬのが怖い…」

そう言って武は淳の膝の上で泣いた。

「絶対に勝つのよ…
病気に、自分に…
分りましたか?」

「お姉ちゃん…
元気になったら…
今度は外で…デート…」

「必ず…外で…
デートするの…
分った?」

「うん…」

武が病気に勝つ確立は…

限りなく…低かった…


そして淳が最も

恐れていた事が起こった。

ある日、ゆりが検温の為に

武の病室へ入っていく。

淳は夜勤明けで寮で寝ていた。

「武君、検温ですよ。」

そう言ってゆりは武を見て

体温計の入ったトレイを床に落とした。

「た、武君!!」

武はベッドで血を吐いて倒れている。

「先生!!先生!!」

ゆりは大慌てで詰め所に駆け出した。

「なんだ??」

武の仲の良かった同年代の子供達が

廊下に飛び出してきた。
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