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結花の御主人様
第1章 出会い
「条件があります。」

「え??」

今までにない反応に結花は驚いた。

「条件って?」

「優しくする条件。
今日は結花ちゃんの誕生日だから…
いくつか質問をしますが…
結花ちゃん、仕事用でもなく
俺用でもない本当の結花ちゃんで
答えてくれるかな?」

「… … 」

結花は無言になって龍を見ている。

「あの…答えによっては
龍さんの期待に添えないとか
怒らせるかもしれないよ?」

「それは構わない。
答えによって俺が結花ちゃんへの
感情は変わらない。」

「本当?」

「約束するよ。
それと…返答したくない
質問なら拒否しても構わないよ。」

「分った…」

結花の表情が変わった。

デリにとって本当の自分をさらす事は

かなりの危険性を伴う。

もしかしたら返答次第でお客をなくす事も。

結花はそれを警戒した。

現実、結花は龍が唯一の生活の糧。

龍を失えば自分は生活出来なくなる。

「信じて…いるから…ね。」

「大丈夫…」

結花はじっと龍を見つめていた。

「まずは一つ目…」

「ゴクッ…」

「結花ちゃんは俺にされる時に
嫌だと思いますか?
仕事だから、指名が欲しいから
笑顔になっていませんか?」

「… … 」

結花は無言。

「拒否かな?」

「あの…
結花は…本当は冷たい女です。」

「ん?」

「お仕事中は明るく振舞って
いるけど…本当の結花は…
冷たい無表情な女です。」

「そう…」

「ごめんなさい…」

下を向いて謝る結花。
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