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結花の御主人様
第13章 良…

「はい、でもこの子は出来心で
お腹がすいて空腹に勝てずに…
ですから女将さん、この子に
食べたい物を好きなだけ
食べさせてあげて下さい。」

結花は美代に頭を下げた。

「まぁね、結花様の言い付けなら
出すけどね。それにしても
お前は何でまた…
ま、それは良いさね。
さぁ、何が食べたいんだい?」

良は下を向いて黙っていた。

「さぁ、良君、好きなものを言いなさい。
お代は気にしなくて良いから。」

「本当に…良いの?」

良は結花をじっと見た。

「良いわよ。
今日は結花のおごりです。」

「俺…焼肉定食…
ご飯大盛りで…」

ぼそっと呟いた良。

「女将さん、焼肉定食を…
ご飯大盛りで焼肉二人前分で
お願いします。」

「分ったよ…」

美代は調理場へ消えていった。

そこへゆりが水を持ってやってきて

「ちょっと…あんた!!
結花様は私達にとってご恩人なの。
それをあんたはなんて事を!!
本当ならゆりはあんたに
ご飯食べさせたくないんだから…」

むすっとしてゆりは良の前に水を置いた。

「まぁまぁ…ゆりちゃん。」

「結花様!!優しすぎます!!
こんな奴…野垂れ死にしてしまえば良い。」

「ははは…
言いすぎよ?」

「全く…」

ぶつぶつ言いながらゆりは調理場へ入っていく。

やがて良の前に焼肉定食が

出され肉が山盛りに…

「さぁ、お食べなさい。」

優しい結花の目。
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