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第18章 優子の秘密

「結花様、武…」

「気が付きましたか？
ここは自宅ですよ。
良君は怪我をして武君に
助けられたのです。」

「そうか、武、すまない。」

「気にするな。
それより…ゆりちゃんが！！」

「ゆりちゃんが？
どうした？」

「さらわれた…」

「何？？さらわれた？
こうしてはいられない。」

無理して良は起き上がろうとしたが

「良、無理するな。」

武が手を貸して

「一緒にゆりちゃんを
助けに行くぞ。」

「すまない。」

結花は二人に

「無理は駄目ですよ。」

優しく微笑んでいる。

「はい。」

二人が地上げ屋の事務所にたどり着くと…

そこは既に壊滅していた。

「あら？？」

建物は破壊されて見る影もなく

地上げ屋たちが倒れている。

「あれま…」

武が目を丸くしている。

「武、ゆりちゃんを探せ。」

「わ、分った…」

二人は必死になってゆりちゃんを探した。

「ゆりちゃん！！」

建物の影の木のそばでゆりが泣いている。

「ゆりちゃん！！」

二人はゆりの側へ駆け寄っていった。

「大丈夫かい？」

「あ、良君、武君…」

ゆりは二人に縋りついた。

「どうしたの？
何があったの？」

「うん、あのね…
バイクに乗ったお姉さん達が
事務所に乗り込んできて
地上げ屋を壊滅させたの。
ゆりはここに連れてこられて

「すぐに助けに…
迎えに来るから何処にも行かずに
ここで待っていなさい。
もう大丈夫よ。」

そう言ってくれたの。」