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結花の御主人様
第20章 独立
「え?良いのですか?」
「良いんですよ。」
結花が
「貴方達は普段から辛抱して
それでも賢明に暮らしているの。
龍さんはそれをちゃんと見ているのよ。」
「結花様…」
「貴方達に現金を渡しても
受け取らないでしょう?
だから…それを龍さんが
心配していたのよ。」
「そうですか…」
困惑してはいるが嬉しそうな二人。
「たのしんでらっしゃい…」
「はい、有難う御座います。」
二人は喜んで手を繋いで帰っていった。
「嬉しそうだな。」
「当たり前ですよ。
龍さんはその辺を
もう少し考えてくださいね。」
「わ、分った。」
「全く…独立するときだって
いきなり200万円目の前に出して
ほら御祝儀だって言っても
二人は混乱するだけですよ?」
「そうか…」
「あの二人にはお金って大切なんです。」
「なら現金が良いだろう?」
「でもね、あの二人にとって…
お金の量よりもお金の価値のほうが
ずっと大切なんです。」
「価値か…」
「そうですよ。
普段辛抱して…
欲しい物を苦労して手に入れている二人。
他人から何もなく貰う100万よりも
苦労して貯金した1万円の方が
あの二人にはずっと価値のあるものなんです。」