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結花の御主人様
第23章 ゆりの決意
ビールが運ばれてきて
「今は他のお客さんがいないので
サービスですよ。」
ゆりはそう言って龍に杓をした。
「有難う…
焼肉定食をもらえるかな?」
「はい、お母さん!!
焼肉定食一つ!!」
「はいよ…
龍様、いらっしゃいませ。」
「女将…すまないね。
こんな時間に。」
「良いんですよ。
お気になさらないで…
直ぐにできますから。」
ゆりの杓を受けながら龍は一言。
「辛いか?」
ゆりは少し間をおいて
「はい…」
「そうか…」
そう言ってビールを飲み干した。
「飲むかい?」
「はい、頂きます。」
ゆりはコップを持ってきて龍の杓を受けていた。
普段なら美代が飛んできて
怒られるのだが今日は何も言わない。
「辛いだろうが…
商店街の連中が心配している。
ゆりちゃん、悲しんでも…
良は戻らない…」