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結花の御主人様
第23章 ゆりの決意
「はい、分っています…
でも…やっぱり…」
「そうだな…」
定食を食べながら
「良はこれを食べてここから
再生を誓った。
あいつはいつもここでこれを食べていたと
言っていた。
なるほど…美味い。」
「龍さん…私…
どうしても良君が忘れられないのです。
分ってはいるんです。
いくら悲しんでも良君は
戻ってこないと…でも…」
「良いんじゃないか?
それで…」
「龍さん…」
「良の心はいつまでも
ゆりちゃんの心の中で生きている。
それで良いじゃないか。」
「… … 」
「俺が心配しているのは…
分っているはずのゆりちゃんが
悲しみを出しすぎている事だ。」
「はい…」
「良を簡単に忘れられないのは
分るし忘れてもらっては困るが…
あのな、ゆりちゃん、
悲しんでも戻らないなら…
どうして良が喜ぶ事をせんのだ?」
「喜ぶ事?」
「ゆりちゃんがいつまでも
悲しんで良を思って…
それで…良が喜ぶと思うか?」
「… … 」
「良は何よりゆりちゃんの
喜ぶ顔があいつにとって
生きる原動力だった。
ゆりちゃんはあいつが
あの世で静かに眠る事を
望まないのかい?」