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結花の御主人様
第4章 約束
次の日の朝…

結花は頼んでいおいた軽運送を待って

自分の荷物を運び出してアパートの

大家さんの立会いのもと最後の挨拶をする。

大家は

「結花ちゃんがいなくなったら
寂しくなるねぇ…」

と残念そうだった。

大家は結花を娘の様に可愛がってくれた。

「頑張るんだよ。」

「はい、大家さんもお体に気を付けて。」

「ありがとうね…」

「では…」

結花はこの時を境に新しい人生を踏み出そうとしていた。

荷物と一緒にマンションに着いた結花。

源が夜勤明けでも待っていてくれた。

「あ、源さん、まだ
帰らないのですか?」

「あぁ、今日は結花ちゃんが
引っ越してくるからね。
荷物を運ぼうと思って。」

「有難う御座います。
でも、私の荷物は少ないですよ?」

「構わないさね…」

源は重量のある荷物をエレベーターに運び込んで

龍の家の結花の部屋まで運び込んだ。

「源さん、すまないね…」

中から龍が出てきて源に頭を下げる。

「いえいえ…
これから家族と思って接する方ですから
これくらいは何でもないですよ。」

にこにこと笑って源は言う。

「うちの保安室でも結花ちゃんの
事は話題になっているのです。」

「え?わ、私ですか?」

結花が目を丸くする。

「そうですよ。
何せ社長が一緒に住むと言うお方です。
うちの連中も興味津々ですよ。」

「そ、そうなんですか?」

慌てる結花に龍は

「結花ちゃん、源さんは
大袈裟なところがあるから
あまり気にしないで。」

「は、はい…」

「では社長、私はこれで…
結花ちゃん、何かあれば
遠慮なく申して下さい。」

「はい。」

「源さん、ありがとうね。」

「はい、失礼いたします…」

源は帰っていった。

「あの…龍さん?」

結花が龍を睨んだ。

「俺は何も言っていないぞ?」

「本当?」

「嘘は言わない…よ。」

「怪しい…
何を言って歩いているのよ?」

「だ、だから…
い、いでぇ!!」

結花は龍の頭をたたいた。
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