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結花の御主人様
第28章 最終章 天才、風香と翔
「分った!!直ぐに…」

武は簡単な設備を引っ張り出して

「さぁ、頼むよ…」

「へ??」

「あ、結花様は御存じなかったですね?
風香は歌が上手いのですよ。
そしてこいつが歌うと
人が寄ってくる。
風香の唄は人に元気を与えてくれるんです。」

「それは…認めるな…」

健も賛同している。

「よし…では…」

風香は用意された簡単なステージに

飛び乗ってマイクを握り

「武!!いいぞ!!」

そう言いながら足でリズムを取り出した。

やがて伴奏がかかると…

「夏が来る…♪」

結花は風香の歌を聴いて戦慄を覚えた。

「な、何??この子…
これが…少女の唄なの??」

体全体を使って大きな口で清んだ声で…

風香は唄って踊って…跳ねた。

その姿はまるで天使だ。

続々と人が集まってくる。

「お、風香ちゃんが唄ってるよ。」

「久しぶりだなぁ…」

たちまち人だかりに…

唄い終わると風香は

「有難う御座いましたぁ!!」

と両手を振って最後に深く一礼した、

「な、何?なんなの?
これが…素人?」

上手いだけではない。

風香の目は唄っている時は輝いていた。

「い、いた!!
最高のボーカルが!!」

結花は風香に駆け寄ると

「ねえ、風香ちゃん…
あのね、いきなりで悪いんだけど…
結花、今度のプールのお祭りで
バンドをやるの…
でね、風香ちゃんにボーカル…
やってもらえないかな?」

「やだ…」

「え?な、何で?」

「こら!!風香!!
結花様の申し出を何で断るんだ??」
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