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第28章 最終章　天才、風香と翔

「相変わらず…強引で
うぬぼれが強いな…」

翔は健が引いたベースを見て

「これを弾ける奴って…
素人では無理なんだぞ？
健、お前分っているのか？」

翔はふと笑って

「風香…また一緒に…」


それから厳しい練習が始まった。

ライブは明日…

各自、賢明に練習した。

風香と翔はバンドのばらばらになったところを

賢明に統一してレベルが低い

結花とゆりに指導していく。

二人は寝る間も惜しんで練習した。

「はい、あなた…
お食事よ？」

皿を持った結花の手は傷判が沢山。

「結花…お前…」

龍が結花を見ている。

「あなた、ライブ…
自分達が楽しむだけでは駄目なの。
お祭りが駄目になって…
町の人は楽しむ事を欲しがっている。
だから、結花もメンバーも
必死になって練習している。
結花も…皆に楽しんで欲しいから…」

「そうか…」

龍はそれだけ言う。


そしてプール祭りの日。

ライブが開かれた。

快晴の中で会場が設置された。

龍は何処にも負けないライブステージを

金に糸目をつけずに設置した。

音響機器も町内が保有している物を

すべて新しい物に変えてプロを雇って

音の調整をさせた。

「龍さん、こう言っては
失礼ですが素人さん相手に
ここまでしなくて良いのでは？」

龍は煙草を吹かしながら

「いや…今日のライブはここの
町の人が待ち望んでいた物だ。
だから…何も出来ない俺は
これでライブに参加したい。
笑ってくれ…
金でしか何も出来ない俺をな。」

「龍さん…」


ライブ参加者はそれぞれには明かされていない。

それは参加者にもライブを楽しんで貰うという

龍の提案だった。

「結花め…
腰を抜かすなよ？」

龍が笑う。