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《愛撫の先に…》
第8章 《レッスン―――…》
『関係ないっ!?
結城さんが菜々美を嫌いだと言ったの?』
『…ううん、でも間接的に似たような…』

『ばっかみたい』
『えっ』
『間接的?
相沢なんでしょ、
決めたあたし!
ちなみにさ店はどこ?』

終業後。
私服に着替えた菜々美だがデスクに戻っていた。
他社員はそんな彼女を気にかける事なく残りの業務をこなしているようだ。

『江崎さんっ!
どういうつもり?
店に向かわなきゃ合コンに遅れるじゃない!』

『顧客リスト整理しようかと思って』

あたしなんか居なくても誰か人数合わせ頼めばいい。
お願い!見逃して!

『あっ、そう』
相沢の歩くヒールの音が怒っていると思えるが、
合コンを回避する事への相沢の見逃しに安堵する。

うろうろと街を歩けば相沢さんに見つけられるかもしれないから、
会社にいれば安全だと思うの!

会議室での陽子の睨みがあたしを前向きにさせた!?残業じゃないけどパソコンで顧客リスト整理しちゃお!
相沢さんから言われた事は気になるけど悩むのはマンションに帰ってからにしたい…

【菜々美残業のふりしてなかなかやるじゃない、
近くにいるから電話して】

陽子からのメールに返事を打った。

『ついでだからリストやっちゃいたいから帰って…と送信』
打ちながら内容を言葉にして。


……
18時になると1人2人と帰っていき菜々美は1人きりになった。

『お疲れ』
えっ!

『コーヒーでもどうかと思って』
美味しそうな薫りと湯気がたつ自販機の紙コップを持つ相沢が笑っていた。

相沢さん!?
どういうつもり?

『睨まないで、差し入れじゃない』
『………』

『飲まないの?』
『………』
『熱いうちに飲みなさいよ』

菜々美は仕方なくコップを受け取りコーヒーを飲み、
椅子に座った相沢が見るなかでパソコンを打っていたが…!
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