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表裏
第3章 堕落
幸せな眠りについた翌朝、目が覚めると身体を動かすことが出来なかった。

自分の意志で動かせないのではなく、手足を拘束されているようだ。

顔を左右に振り部屋を確認する。

竜也ではなく莉那の部屋だった。

誰がこんなことをするのか意味がわからない。


どのくらい時間が過ぎただろうか?

ノックも無しに誰かが入ってくる。

それは妹の弥生だった。

「お姉ちゃん・・気分はどう?」

笑顔で話しかけてくる弥生だったが、目は全く笑っていない。

「いいわけないでしょ!!何でこんなことするの?」

「わかってるくせに」

「・・・もしかしてお父さんのこと?」

「違うよ。そんなの前からだし」

(前から?じゃ莉那は父親としていたのか・・)

「もう・・・隠さないでいいのに~。私のお兄さん?でいいのかな?」

「えっ!!?」

「莉那姉ちゃんじゃないんでしょ?名前は知らないけど」

「そ・・そんなわけないでしょ」

「莉那姉ちゃんと違って嘘下手だね。優しいお兄ちゃんみたい」

「どういうことだ?」

「ふふふ。これは契約。お姉ちゃんと私の」

弥生の顔が近づいてくる。

弥生の唇が自分の唇に触れていた。
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